2. 薄膜トランジスタ(TFT)をガラスプレートにパターニングするFPD露光装置

  • パターニング:回路パターンを露光すること
解説図:LCD製造プロセス。前工程としてTFT製造工程、カラーフィルタ工程を行い、後工程としてセル製造工程、モジュール製造工程が行われる。
解説図:OLCD製造プロセス。前工程としてTFT製造工程を行ったあと、後工程としてOLCD製造工程、モジュール製造工程が行われる。

画素数が800万を超える4K(UHD=Ultra HD)ディスプレイでは、各画素を制御するのに必要なTFTの数は、LCDでは800万×赤・緑・青の3色分で2,400万個以上、OLEDではさらにその数倍にもなり、これら1つ1つのTFTを正確に制御することで高解像度の映像を映し出しています。この微細なTFTをガラスプレートにパターニングするのが「FPD露光装置」です。

FPD露光装置は、TFT回路パターンが描かれた原版であるフォトマスクに光を照射。レンズを通してガラスプレートに回路パターンを露光します。大型のガラスプレートでは、複数回にわたって露光を繰り返し、ガラスプレート全体に回路を形成していきます。

ニコンのFPD露光装置は、精度や生産性に優れるマルチレンズ・スキャン方式を採用しています。

解説図:TFT製造プロセス。受入検査、洗浄・検査を行った後、成膜から洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥離、検査の工程を複数回実施し、ガラスプレート全体に回路を形成していく。